年齢的にも仕事探しが難しいことは十分理解していましたが、違和感がピークに達すると、そのまま見過ごすことができませんでした。

この年になって「正社員」という好条件を捨てるのは勿体ないという考えが一般的なのかもしれません。

ただ、方向性の違いに気付いている場所に身を置くことは、自分の心地良さを無視している気がして、見過ごせなくなりました。つくづく不器用な人間だと思います。

職場が悪かったとか、良い悪いの問題ではなく、単に方向性が違っているということだけで、それこそ価値観の違いで別れる男女と同じようなイメージです。

私は次の仕事を決める前に仕事を辞めました。無収入期間が長くなると不安で悩んでしまう方には軽はずみにはオススメできませんが、「心地」を作るにはとても有効な手段でした。

次の仕事を決める前に仕事を辞めるリスクをとった理由は、ひとつの仕事の終止符を丁寧に行いたかったということと、一度「心地」をリセットしたかったからです。

退職後、とにかく「心地」を大切に過ごしました。朝日を浴び、公園を散歩し、自然と触れ合い、ヨガレッスンに通い、音楽活動を楽しみ、食物を育て、日本文化に触れ、旅に出て、新しいことを始め、新たな出会いが生まれ、大切な家族や仲間と過ごす。そんな毎日の中で、人の温かさへの感謝、過去の経験への感謝、自分にとって本当に大切なこと、一歩踏み出すと物事が動き始めることなど・・・様々な学びがありました。

そして、新しい職場で新しい仲間と出会い、枝分かれした違う方の人生を歩んでいます。過去を手放しても、再び新しい経験を積めるように新たな未来を用意して下さっているのだなぁと。